トレーダーズ・グレイル

トレードの世界を探求するプロトレーダー増田蔵人の気まぐれ更新ブログ 本当に勝てる投資家になるためのブログ

トレードの技術

待つという技術 3

本当に、ここ数ヶ月の日経平均には動きがありませんね。

私は、7月末あたりには、どちからに動くと踏んでいたんですけど、ハズレましたw

日経平均先物に至っては、一ヶ月の上下幅が500円も行きません。

これほどの膠着相場は、ちょっと記憶にない、という印象なんですけどね。
ラジオで言ってたのを聞きそびれたのでハッキリ覚えてないんですが、こんなに動きが少ないのは1980年か86年以来だと言ってました。
まあ、年はともかく、歴史的にまれなぐらい、動きが少ない膠着相場である、というのは確かなようです。

夏は日本相場の主役である欧米人投資家はバカンス休暇に入りますし、益々、薄商いとなります。
商いが薄いがゆえに、どちらかに振らされやすい、という可能性もあるんですが、全く動かない可能性もありますねぇ。

先に500円、と書きましたけれど、それはあくまでも場中の高安値での話です。
終値だけで言えば、もっと値動きは狭いですし、その全部をトレードで取れるわけは当然ないので、こんな小さな動きで利益を上げようというのは、相当に難しいと言わざるをえません。

けど、これ、言い換えるとボックス圏なんです。

あ、少し話が脱線しますけど、私は日経平均指数よりも、先物のチャートをメインで見ているんですが、形状はボックスというより、次第に値動きが狭くなって「ペナント」状に見えます、もう旗の先端に達してますので、そろそろどっちかにブレイクするかもしれません。

脱線しましたが、ある意味、ボックストレードは「簡単でオイシイ」のです。
が、FXで経験がある人なら分かるように、ボックストレードは非常に「怖い」のです。
FXでは、一日の中で、しばしばボックス圏内で価格が動くということがあり、ボックスの上限で売り、下限で買う、というトレードをしていると
びっくりすぐるぐらい簡単にウハウハ儲かるんですよね
ついつい
これは凄い、俺は天才じゃないか、と思っちゃったりします(笑)

ところが、ボックスといっても、当然厳密にいつも上限下限は同じではないので、その「ズレ具合」をどう判断するかはトレーダーの主観です。
で、一瞬上にブレイクしたけど、ヒゲを描いてすぐに戻る、というようなダマシのことがしばしばあるのです。
こういう状況になれてくると、次第に「ここはまだ大丈夫」とボックスを越えているのに売り増ししたり、買い増ししたりしてしまうように
いつか、必ずなります。
だいたい、それがダマシではなく、本格的なブレイクでヤラれちゃう、というのが、この
ボックス売買の甘い罠
なんですよね。

だから、ボックス売買はやらないほうがいい、特にFXのデイトレではやらないほうがいいと思います。
このことは、Webで検索してみれば、FXでデイトレードをしている方が多く書かれていますので、やはりみんな一度は同じ痛い経験をしているんだと思います。

もちろん、落とし穴を避けて歩けば、落とし穴には落ちないわけで、その
甘い罠に、はまらなければいい
わけですから、「俺は大丈夫」「僕はできる」と、そういう反論をする人もいると思いますけど
そんな簡単に回避できる心理問題ならば、誰もがボックス売買で億万長者になっているはずだ
ということを考えたら、答えは分かると思います。

つまるところ
ボックス売買で利益を上げるのは、ある一定期間ではとても簡単だが、承久的にボックス売買で失敗せずに利益を上げ続けるのは非常に難しい
ということですね。

ボックス売買を世に広めたと言われるニコラス・ダーバス自身が、この甘い罠にはまって破綻したのではないかとも推測されています。


なんか話がズレてきました、ボックス売買の話題を書きたかったんじゃないんですよねw
ボックス売買はかように難しいので、やはり、ここは待つしか無い、ということを言いたかったんです。

もちろん、個別銘柄は活発に動いているのも多いので、それらをトレードしている人はいいのですが、日経は、かれこれ3ヶ月ぐらい動きがありません。
これだけ長い間、じーっと待つ、というのは、相当に忍耐がいる作業ですが、これが出来るかどうかで、最終的に利益が上げられるかどうかが決まるんじゃないかと思います。

何度も言うように、「待つ技術」というのは、相場で相当に高度な技術のひとつです。
今は待つ技術を試される時間と思って
石の上にも三年
ですね(笑)
じっと我慢の子であった・・・はいすいません、このネタが分かる人はいい歳ですw




待つという技術2

相場では「待つ」ということが非常に難しい、それゆえに、「待つ」ということは高度な技術である、と述べていますけれど、本当に「待つ」というのは難しいと思います。

たとえばデイトレードであれば、毎日売買しないとお金にならないわけです。
当然、そこには「早くやりたい」という欲求と「やらないといけない」という強迫観念のようなものがあり、体がトレードをやろうとする動きを抑えられなくなったりします。
特に専業トレーダーであれば、やらないことには儲からない、儲からないと生活できないわけで、当然、やらないといけないという思いは強くなります。

ともすれば、いらない段階でうっかりと仕掛けてしまったりして、結局は損を増やす、そういうことを繰り返して、結局は損を増やすということを分かっているのに、またうっかりやってしまう
だいたい、こんな感じでしょう。

完全にバイアスを無くして冷静に相場を眺めていれば、長年相場を見ている人が(だいたいでよければ)天井や底を見極めるのは、実はそれほど難しくはありません。
でも、そこにひとたび、心理的バイアスが加わると、全くうまく判断ができなくなりますから、駄目なときに仕掛けてしまったりしがちです。

私は投資解説者は害毒そのものであると思っていますが、時に彼らの判断がよく当たることがあるのは、実に皮肉なことに「彼らが投資のプロではない」からなのです。
自分で投資して生活していないから、余計なバイアスが少なく、時には正しく物が見られるわけです。
ま、それでもそう当たりませんが(笑)


さて、デイトレードはタイミングが大事なんですが、そのタイミングを待つのが難しい。
そもそもデイトレは一日で完結という縛りがある以上、時間が過ぎるほど「終わり」が近づくわけで、まだ一回もトレードしてないと焦りも加わります。
デイトレードのやり方によっては、タイミングが来ず、何日もトレードしない場合もあり、それが正しいやり方なのですが、そういう風に待つのは、とても難しいですよね。


前に書いたように、だからそういうときに、ゲームでも娯楽でもなんでも、とにかく自分の興味をひくことで気をそらす、というのは、それなりに有効な手段だと思うのですが、これも書いたように、それが建設的なものでなければ、特に「サボっている」という感覚になりがちで、うしろめたさのようなものもつきまといます。

要は、トレードしていれば、こうした焦り、うしろめたさ、欲求のようなものは軽減されるわけですが、そういう意味でも、分割売買は有効な手段だと思うのです。


たとえばスイングトレードでずーっと買い場を待っているとして、何ヶ月も待ち続けていると、しんどくなってきますね。
ここはまだ底じゃないだろう、もうちょっと下がるだろう、と思う
あまり、仕掛けるべきところではないと、冷静な自分が脳内でささやいている(笑)
でも、「やりたい自分」の我慢が限界に達している。

こういうとき、おそらく損をすると頭では分かっていても、1単位だけ買って見るんです。
それで欲求も不安もある程度解消できるし、冷静さを取り戻すことが出来る。

もちろんずーっと何もしないでタイミングを待てるならそれに超したことはないんですが、それがきちんと出来る人間は、なかなかいません、それがトレードというものですので、多少の損は覚悟で買ってみる。

そこから、それほど下がらないようであれば、その1単位を元にして、分割で数を加えていくことで、将来的には本玉にすることもできます。
結果的に、最初の1単位が「ためし玉」「さぐり玉」的なことになるわけですが、この場合は、最初はそういう意図で建てているわけじゃなくて、あくまでも「やりたい欲求」解消のためですね。

あー・・・・いつも思うんですけど、トレードのこういう話「やりたいやりたい」「早くやりたい」「やりたいのが我慢できない」「欲求が」みたいなことを書いてると、何かエロい話を書いてるようで怪しい気分になりますな(笑)

むろん、損切りしなきゃいけない場合もあるでしょうが、そこはそれ、上記のような問題を理解した上で、いわば「治療薬」として建てた玉なので、必要経費の治療費として割り切るんですね。
まあ、その割り切りがまた難しい、という問題があって、キリがないんですけどね(笑)






待つという技術

このところの相場は、方向感の見えない、ある種の膠着相場だと言っていいと思います。

証券会社というのは投資家を煽って参入させるのが商売ですから、日経平均が高くなると、ここぞとばかりに「今がチャンス」みたいなポジティブな宣伝や肯定的な見方をバンバン出してきますが、通常、高値圏でこういう膠着が起きたときは、1,2段(今は二段目?)のプチ上昇があって、いずれ、一度は大幅下落になるケースのほうが多いと思います。
むろん、外部環境頼みの相場ですから、暴落すると予測するわけではなく、実際に下がるか上がるかは分かりませんが。

著書にも書いたように、相場師の多くが「相場では待つことが一番難しい」と書いています。
トップトレーダーの多くが「待つ技術は高度な技術で、一番難しい」と述べています。

本気でトレードする人ほど「やりたい症候群」があるのが、相場のやっかいなところです。
それも無理からぬ話で、そもそも、稼ごうと思って参加したのに、何もしなければ絶対に利益が出ないわけですから、「やろう」としてしまうのは当然なのです。
特に、生活がかかっていれば、なおさらです。
一生懸命な人ほど、無理矢理に参加したりしますが、結局は、損が増えるだけです。

私自身、ある種の物事に対しては非常にせっかちで、「何かしていないと気が済まない」タイプの人間ですので、その気持ちはよく分かります。
いつも、我慢するのに苦労してます(笑)

ツナギ売買がひとつ有利なのは、膠着相場で建玉をスクエアにしたとき、一応「建玉を持っている」ことです。
むろん、スクエアなので損も益も出ません、実質は建玉がゼロの状態と変わりませんが、心理面では全然違います。
建玉があると、「相場に参加している」という感覚になるのです。
これが、建玉ゼロのときは、「何もしていない」という意識になるので、気が焦って無理に参加しようとしてしまいがちなのですが、建玉を持っていると「現在も参加している」という意識になるので、「やりたい気持ち」が抑えられます。

結果、じっくりとチャンスを待つことが、より容易になるのです。
このメリットは、著書に書き忘れたと思います。


あと、最近私が発明(笑)したのは、待つべきときにゲームをやる、という方法です。
何を言ってんだコイツは、と思われるでしょうが、冗談ではないです(笑)

私は元ゲームレビュワーで、雑誌のゲームレビューなどを執筆していた海外ゲーム専門ゲーマーだったんですが、ここ15年ほどは全くゲームをプレイしなくなりました。
が、最近、昔の懐かしいゲームがスマホ版で出ているので、ちょっとやってみたら十数年ぶりにゲームをプレイするようになった、っていうだけで、別にゲーム好きじゃないんですけどね、たまたま、今の興味がソレだというだけで、ふと「あ、コレ意外と有効だな」と気づいたという。

ゲームじゃなくて、漫画を読むでも映画を見るでも本を読むでも何でもいいんですが、要するに
相場の他に、自分の興味を強く惹くことを、意識的に、無理矢理にでもする
ということです。
つまり、そのことによって
相場への興味がいくぶんかそがれるので、無駄な参戦が抑えられ、待つことができやすい
ということですね。

ゲームは最近の発明(笑)ですが、昔の造形仕事関係で懇意にしていた編集さんから連絡があり、その関係でやるべき造形作業が最近多いのですが、昔から、回避したいときに造形に「逃げる」のは、いい手段になっていますね、私の場合。

私の経験上ですが、そういうときは「このところ膠着相場で相場に参加できないから、今のうちに相場の勉強でもしとこう」なんて思うのは、割と駄目なんです。
どっちも同じ相場がらみですから、ついつい、相場に意識が行っちゃうんで、あまり無駄な参戦の回避作業にはなりません。
なるべく、全く相場と無関係なことをする、遠いほど良い、と言えます。

あと、スポーツをしに行く、とか、外出するのは良さそうなんですが、実際にはイマドキはどこに居てもスマホひとつで手軽に相場が見られてしまいますので、「見てしまいたい」意識があれば、外だろうが家のPCの前だろうが構わず見てしまうので、外出自体はあまり有効な回避にはならないようです。

問題は、その「興味を惹くこと」が、ゲームのような、いわゆる「娯楽」であれば、当然真面目な人は「サボってる」といううしろめたさがつきまとうんですけれど、そこは、あくまでも、コレは相場を待つための作業だ、と自分で納得して、なんとか割り切ることが必要です。
たとえば楽器の練習だとか手芸の上達だとか、相場以外で勉強する本を読むとか、なんらかの建設的作業であれば、その割り切りも、もう少し簡単になると思います。

まあ、20年以上相場やってますけど、待つのは、本当に今でも難しいですねぇ




うねり取りの効力

前回、林輝太郎氏が主張されているのは、要するに相場における「うねり取り」であって、そのうねり取りというのは、右肩上がりの相場ではなく、むしろ方向性がないときに、最も効果を発揮する、と述べましたけれど、そういえば、自著で「うねり取りが本当に威力を発揮するのは、方向性のない相場である」ということを、あまりきちんと詳しく述べていなかったかなぁ、と気づいたので、もうちょっと書いてみます。
次版では著書も修正したいと思います。

で、なぜ、うねり取りが方向性のない相場で威力を発揮するかと言えば、そもそも、初心者投資家がやろうとするのは、上がる銘柄を探して、一発で買おうとする、というやり方です。
このやり方でも、相場に明確な方向性がある場合は、比較的儲かりやすいわけです。
右肩上がりの相場が続くのであれば、どこで買っても、保持していれば、それなりに利益が出るわけで、それほど「技能的な実力」は必要ないんですよね。

私が投資の勉強をしている頃、割とそういう時期がありました。
その頃に、儲かりやすい相場で投資に参戦して大金を儲けた人たちが「私は実力がある」と勘違いしていて、当時初心者だった私から見ても「これはひどい」と思えるぐらい、本当に馬鹿みたいな中身のないスカスカの本を出したりしていたのですが、そういった人たちが、その後も設けたという話は全く聞きません。
今でも投資の入門書の9割は駄本だと思いますが、それこそネット証券の戦国時代には、本当に、今とは比べものにならないぐらいに、水準の低いミーハー投資本が山のように出ていた時期があるんです。
今でもあまりにひどくて覚えているのは「投資は簡単な方法で儲かるんです。25日移動平均線が上を向いているときに買えばいいんです」というだけの本ですね(爆)
ホント、それだけしか中身がないんですよ(笑) それをすんごい薄めて、何十ページにも渡って書いてある。
ま、そりゃ確かに、必ずしも間違いではないんですが、一行で済むところを、わざわざ本で読むこっちゃないし、それが適切に出来れば誰も苦労してない、って話ですよね(笑) 

話がズレましたけど、そういうわけで方向性がはっきりしている相場というのは、割とあてずっぽうに買っても儲かるわけです。
そういうやり方をするレベルの人は、あまり空売りはやりませんけれど、空売りだって、明確な下げ相場なら、結構適当でも儲かるわけですよ。

ところが、方向性がはっきりしない相場というのは、なかなかに難しい。
価格が不規則に行ったり来たりするわけですから、なかなか、いわゆる「当て物」的な買い方をしても、すぐに下がってしまったりして、儲けるのは難しい。
そういう相場で、真価を発揮するのが、「波乗りの技術」です。
いわゆる価格の波のうねり、そのうねりから利益を得る、それが「うねり取り」ですね。

うねり取りというのは、技法の名称ですが、そのうねり取りを具体的に実行する方法が、分割した建玉の操作ということになるわけで、分割売買(ナンピン)の技法、ツナギの技法、要するに
建玉操作の技術
ということになるわけです。
それが上手なのが「実力がある」ということですね。

いわゆる「右肩上がり相場」というのは、昔は何年も続いたものですが、今では、サイクルも短くなっています。一年という短い時間で日経平均のチャートを見れば、一年の多くの部分は、あまり方向感が見えないことが多いですし、昔から俗に「相場の7割は方向感がない」などと言われます。
方向感がない時間が多いということは、それこそ、そうした時間から利益を得る技術が大切になってくるわけで、そこで威力を発揮するのが「うねり取り」です。

うねり取りこそが相場、といわれるゆえんもそこにあります。

ナンピンの有効性

最近、何が原因なのかよく分からないのですが、ちょくちょくブログを見てくださる方も増えてきて、著書のほうにもAmazonでぼちぼちユーザー書評も書いて頂けるようになり、ありがたい限りです。

この先、もしかすると、ホントに「もしかすると」レベルなんですけど、個人的に、もうちょっと書籍のことで面白い展開も待っているかもしれません。


まあ、小心者なので、書評は悪口書かれたらヘコむので、なるべく見ないようにしてるんですけどね(笑)
そこはそれ、どうしても気になるので、うっかり見ちゃったり(笑)
漫画家さんとかでナイーブな方は、ユーザー書評でボロカスに言われて、精神的に凹んで漫画書けなくなったりする方もいるみたいですね。


さて、そんなこんなで、せっかく書評書いてもらってるので、こんな質問的書き込みがあったので、ちょっとお答えしておきます。

林輝太郎の相場の受け止めの考え方は
日経平均が右肩上がりの時代にはうまくいくのですが、
方向性のない現代には危険すぎる方法です。
この根本のところを著者はどう考えているのか。


どう考えてるのかお答えします(笑)
ていうか、正直に申しますと、「うーん???? ごめんなさい、ちょっとよくわかりません」という感じです。

まず、林輝太郎氏が現役でおられた期間は、決して相場は右肩上がりばかりではありませんし、氏の本を読む限り、その相場のとらえ方が「右肩上がり」に対してである、というのが、全然理解できないので「ちょっとよくわかりません」という感想になるのですけど(笑)

私は林氏の全著書を10回以上は通読していますが、一度も「右肩上がりの相場向け」だという風に感じたことはないですね。
むしろ逆です。

私が、初心者が誰もが通る「株は買って儲けるもの」という「買い一辺倒」の世界から、「ああそうか、相場は買いも売りも全く同等なんだ」「下げ相場でももみ合い相場でも儲けられるんだ」と理解できたのは、林氏の著書のおかげですし、それはもちろん、氏が「売りで儲けるということを当たり前に説いておられる」からです。
言うまでも無く、売りで儲けるということは、右肩上がりどころか、右肩下がりの相場に対する方法論だということですし、実際、氏は「売りを重視すべきである」と「空売り」についての本も書かれています。


林氏は「うねり取り」の方法論を主体に論じていらっしゃいます。
林氏が根本的に言っておられるのは純粋に「常に上下する波に対して、いかに技術によって利益を上げるか」ということであり、そのための技法である「ナンピン」や「うねり取り」を説いておられるわけであります。
決して、相場の方向性に左右されるようなことを説いているわけではなく、逆に「どんな相場でも利益を上げられるのがプロであるから、相場の方向性は関係ない」ということを言っているわけです。

だから、林氏の方法論が、右肩上がりに対してだ、というのが理解できないのですが、推測するに、これは林氏の教えを、行間にある本質を読み込まず、たとえばナンピンならば「下がっているところを闇雲に買えばいつかは上がるから利益になる」という風に捉えているからではないでしょうか。
林氏の言説を、こういうとらえ方で読んでしまうのは、「株は買うもの。上がったら儲かるもの」という、お馴染みの先入観があるからだと思うのです。

ナンピンを「技法」と捉え、「下手なナンピンが駄目」だと言う以上、それは「上手にやれば良い」ということであって、「適切なときに、適切に使う」からこそ「技法」と呼ぶので、考えなしに、ただひたすた、ナンピンで買うわけではありません。
適切なときに、適切に使う、とは、もちろん、買い相場だけではなく、売り相場でも使う、ということで、ナンピンは売り相場でも大変有効であり、「買うためのもの」ではありません。

そもそも、右肩上がりの相場では、林氏の説くような、うねり取りやナンピンはそれほど重要な技法ではありません。
それほど技術レベルが高くなくても、右肩上がり相場では、比較的簡単に儲かるからです。
林輝太郎の相場の受け止めの考え方は日経平均が右肩上がりの時代にはうまくいくのですが、方向性のない現代には危険すぎる方法です。
というのは全く逆で
林氏が説いておられる考え方、うねり取りが最も威力を発揮するのは、近年の相場のような方向性のない「もみあい相場」なのです。

もみあいにおいては、単純に一方向にずっと価格が動かないため、一発買いしてずーっと建玉を保持するだけで儲かる、などという風にはいきません。
そこでは、上下する価格の波に対して、いかに細かく建玉を操作して利益を確保していくか、ということが重要になります。
それが、林氏の説く「ツナギ売買」であり、「うねり取り」の真価であります。

以上のように、私は、林氏の教えは、バブル崩壊後の相場のような近年の相場で、昔以上に有効な方法論だと思っています。
ひたすら右肩上がりではない相場だからこそ、林氏の教えるような方法論が必要となってくるのです。






オーナー紹介 増田蔵人
フリーで造型、PC関係等の仕事を多岐に渡り担当、関連雑誌等のライター。本名で著書が十数冊ある。
投資歴は30年。近年ライターとしての仕事が激減したため、プロトレーダーとして生計をたてるに至る。
2015年、ライター生活の集大成、トレーダー啓蒙書『投資の聖杯 ~投資常識の嘘~ 本気で勝てるトレーダーになりたい人のためのバイブル』を電子書籍でリリース。
最新コメント
ツナギ売買の入門と実践 [増田蔵人 著]


  • ライブドアブログ