前回、新刊を出した話に
投資の本で重複が悪いとは思ってない、むしろ『アリ』だと思ってる
と書きましたけれど、思いの外、新刊リリースに対して、早くコメントを頂いたりしたので、この件についても早めに説明しとかねばならんかなぁ、と思いまして、その話です。

そもそも、ほとんどビジターのいないこのブログで、そんなに早くリアクションをいただけるというのは、励みになりますし、ありがたい限りです。
ネットのなかった時代には、考えられないことですね。

そういえば、私は20代の頃は模型の仕事をしていまして、模型雑誌の読者だった方たちから、このネット時代になって今でも時々メッセージを頂くこともあるんですが、こんなの昔だったら考えられない話で、これもネットのおかげで、ありがたい限りです。


さて
投資の聖杯をきちんと理解していただいてる方には、説明しなくても、「なぜ?」かは分かるはずなんです、その理由を本に書いてますからね。


えっとですね、たとえばなんですけど、よく、林輝太郎氏の書籍に対して言われるのが
中身が重複するところが多い、同じ話が多い
っていうことなんです。
あの方は、何十冊も書かれてますからね、そりゃ、無理もないんです。

本当に誠実な書き手でしたら、大切だと思うことは、ほとんど、最初から、余すところなく書きますからね。
当然、書くべき事は、早いうちに既に書いているわけですよ。
そりゃあ、年々、新しい発見だとか、考えの変化なんかはあるし、書き漏らしもあるでしょうから、毎回、多少は違ってくるでしょう。
けど、本当に大切だと思う根本は、少しずつ変化はあっても、そう簡単にガラッと変わることはないわけですよ。
だから、題材ごとに違いはあれど、次の本でも、根本的に大切だと思える部分が、同じような話になっちゃうのは、仕方ないわけです。

内容が毎回似たような話になるのは、そういう書き手側の事情があるんですけれど、そのことが、「悪いわけではない」と思うわけです。

いや、ぶっちゃけて言えばですね、私も、初心者の頃は、「同じ話ばっかだなぁ」と思いましたよ。
投資家ってのは、入門時には、聖杯を探していますから、本を買うときも、何か新しい発見、新しい物事が書かれていることを期待して買うわけですよ。
それが、前に買った本と同じような話だと「お金を出した意味がない」という感じにはなるわけです。
その気持ちは、私も体験してきてますから、よく分かるんです。

確かに、極論したら、同じ本を二冊買っても仕方ないですよね、コレクターじゃない限り(笑)
けど、全く同じ本じゃなかったら、一応、期待して買ったら中身が前著とよく似てても、一応、違うところもあるから、読むでしょう?
初心者の段階では、同じ本を二回も読むかといえば、たぶんそれは難しいと思うんですが、一応、違う本ならば読むでしょう?
ということは、それは
大切なことを繰り返して読むことになる
わけです。
私は、ここが重要だと思うんです。


私が投資の聖杯で述べたのは、端的に言えば「認知を変えることで、勝てるトレーダーになれる」ということですが、その認知を変えることがものすごく難しい、という話を書きました。
林輝太郎氏が言うように、「勝てる投資家になるには、当て屋から脱却することだが、ほとんどの投資家は当て屋から脱却できないまま一生を終える」のですが、それはなぜかといえば、「考えを変えることが難しい」からです。
この考えが、いわゆる認知ですが、なぜそんなに難しいのかといえば、それが「投資常識として、間違ったことが、投資家には生まれ育つ過程から、強くすり込まれているから」でしたね。
だから、それを覆すには、大変強力な、別のすり込みが必要で、それは、何度も何度も説得しなければいけないような作業です。
だから、投資の聖杯では、意図的に、極めてしつこく、同じ話を繰り返す作業をしているのだ、ということを書きました。

何冊もの投資の本を読んで、内容が重複しているのを読むことは、つまり、この作業と同じ役割を果たしている、と思うのです。
だから、アリだし、むしろ、それって、とても重要だと思うんです。


たとえば、私は、初心者の頃、あるとき、林輝太郎氏がおっしゃってきた「考え方を変えろ」という話、すなわち「投資は当て物である」という考えから脱却しろ、という話に納得しました。
投資は「やり方である」
すなわち「技術の問題である」
練習して上手になっていくものである
分析に頼っても意味はない
投資は単純で勝てる
情報は不要である
などなど、こういう話に納得して
ああ、そうか、まず、認識をあらためないと駄目なんだ
ということに気づかされて、間違いなく、そこが、
最も重大な投資家人生のターニングポイントになった
と思うんですが、あとから振り替えると、なぜ、そこまで理解できたのか、といえば、やはりこれは
複数の本に、全く同じことが書いてあったから
だと思うんですよ。

もしもですね、そういう話が、林氏の多数の本の中の、たった一冊だけに書かれていたとしたら、それがどんんなに
これはものすごく大切な話ですよ
と書いてあったとしても、大して心に入らなかったと思うんですよ。
複数の本に同じことが書いてあったからこそああ、これはすごく大事なことなんだという認識が自然と出来たんだと思うわけで、そのおかげで
深層心理に、真剣に捉える心が出来たんだと思うわけです。

まあ、早い話が
林先生、同じ話ばっかり書いてくれてありがとう
と、後年になって、むしろ同じ内容ばっかでよかった、と、こういう気持ちになるわけです。


私は、20歳のときから雑誌ライターをやってますから、30年以上、物書きです。
まー、このブログは、たいてい、晩酌後に酔っ払って書いてますので(笑) かなり支離滅裂なときが多いですが、一応、物書きとして、「文章が人の深層心理に与える効果」みたいなものを、たぶん普通の人よりシビアんに捉えているし、その重大さも理解してます。

同じことを繰り返すことには、こういう大切な効果があると思うわけなんですね。
私の本を読んでくださる貴重な方々が、果たして全ての本を読んでくれるかどうかは分かりませんけれど、できればその繰り返し効果を得て欲しいので、そういう意味もあって、意図的に重複を作り出している部分もあります。
逆に言うとですね、一冊の本の中でも、同じような話を何度も繰り返して書いている場面がありますが、もし、そういう部分に出くわしたら
あ、これは、コイツは大事なことだと思って書いているのだな
と思って読んで頂けたら、ありがたいです。