先日、投資のラジオを聞いていたら、解説者が
上昇相場では、個人は逆張り、売りが多い
みたいな話をしてました

これは、実際そのとおりなので、なにげなく聞き流していたのだけど、どうも、そのまま聞き続けていると、話がおかしいんですよ

あれっ? えっ?

と思って聞いていると、だんだん意味が分かってきた。

要するにその人が言っている「売り」というのは
こういう上昇相場では、個人は、それまで持っていた建玉を、利益確定で買早めに売ってしまう
という意味だったんですね。

で、「逆張り」という話は、上昇相場で、少し戻したときに
逆張りで買う
という話だったんです

この「逆張り」という認識は、普通は「順張りの押し目買い」ということに相当しますから、逆張りじゃないんですが、この人の中では逆張りである、ということで、まさに著書で述べたように、単にこういうのは
個人的な主観の問題である
ということが如実に表れてます。

もうひとつ、この話がなかなか意味が分からなかった理由は、一般的に
日本市場の個人は逆張りを好む
と言いますが、これはむろん、仕掛けのことを意味しています。
つまり上昇相場なら、「空売り」です。
この人のように、「手仕舞い」を意味するというのは、話のニュアンスとして、かなりおかしかったです。

現在の上昇相場を牽引しているのが、これまで空売りしていた個人の買い戻しだという論があります。
実際、信用の空売り残が多い銘柄がよく上昇してますし、海外勢は意外と売っているのに、なぜか上がっている、なんて面もありますから、その論には一定の説得力がありますが、ともかく、それだけ、個人は空売りをしやすいわけです。


ここで重要なポイントは、おそらく、問題は、この人が
株=買う、または、空売りする
という認識を持っていない、ということです。
お馴染みの潜在意識レベルの話です。
株は買うものだ
としか心の底で思っていないからこそ、話をはじめると、自動的に、そういう「買い前提」でしかない話になるわけです。

トレードは、常に、買いと売りが認識レベルで同等に存在していなければなりません。
株をはじめたばかりの初心者ならともかく、解説者がこんな認識では、話になりません。
ド素人以下です
だからこそ、私は、繰り返し
解説なんか害のほうが遙かに多いので聞くもんじゃない
と言うのです。


売りの話ついでに、恥ずかしい話をひとつ。
日経平均ミニ先物の話です。
以前から書いているように、私は、この上昇相場で、ゆっくり売りの本玉を作っていっています。
先日、玉をチェックしていたら
確かに売ったはずの価格の玉がない
メールをチェックしてみても、確かに約定メールが来ているし、手仕舞った覚えもない。
おかしいなぁ、そんなはずはない、おかしいなぁ
と必死でチェックして、やっと気付いたんですが
ミニを売ったつもりで、ラージを売っていた
という
大ポカをやらかしていた(>_<)ヽ

私がメインで使ってるのは、マネックス証券なのですが、このサイト、一部のメニューから「新規注文」を選ぶと、必ず、まずラージのページに飛ぶんですよね、だから、うっかり間違えやすいんです。
著書にも書きましたが、私はいつもミニを使っていて、ラージ1枚がミニ10枚に相当しますが、仮にラージ一枚ぶんを買いたいときも、必ずミニを10枚買うことにしてますから、ラージは絶対に使いません。

幸い、そのときは、あわてて手仕舞って、50万円ほど利益になったんですが、むろん、これは単なる幸運であり
悪い利益
です。
まあ、慣れていると、むしろ、こーいうポカもやらかします、という話です。

これも著書で言ったように、人間ですから、必ずポカはいつかやらかします。
機械的に計算してみたら、トータルで勝てる方法だからOK、なんていうのは、およそ、非現実的なのです。
人間のミスを考慮に入れないシステムは、実践に耐えません。
長いトレード人生の中には、小さなポカもたくさんあり、時には大きなポカもあります。
そうした失敗を含めて、全体で利益にならないと、現実のトレードは成り立たないのです。