著書に書いたように、投資では
銘柄を選ぶべきではありません

というより、銘柄選びは、勝つための方法論なんかでは、まるで「無い」ということです。
銘柄選びは、より良い結果を出すために、プロがより良い楽器、より良いゴルフクラブを選ぶということであり、決して「良い楽器があれば、誰でも名演奏ができる」わけではありません。
初心者投資家が完璧なまでに誤っているのは、「素人の自分でも、良い楽器さえ持てば、プロの演奏ができる」と思い込んでいるところです。

本当に勝てる投資家になりたいならば
ランダムに選ばれた銘柄でも、利益が上げられる技術、実力を持たなければなりません
銘柄選びは、あくまでも、まず、その実力があり、その上で、よりベストに実力が発揮できる場を選ぶ、ということです。

詳しいことは、著書に書いているので省きますが、こういう話の前提は
投資に参入するほとんどの初心者の望みは、たくさん稼ぎたい
ということであり、それは
なるべく短期間で稼ぎたい
という願望です
初心者投資家の大半は、そうした希望を持っているので、著書で前提としているのは、そうしたトレードを行う人を対象とした話です。
長期トレードについても、分散投資についても、別枠で解説しましたが、ひとつ書き忘れたことがあります。
これはとても申し訳なかったのですが、完璧に頭がそこにいきませんでした。

それは何かというと
銘柄選びなんか、まるで重要ではない
という根本的な主張には変わりないのですが、ひとつ例外がある、ということを書き忘れました。

それは何かというと、長期投資と似ているようで少し違うタイプの長期投資をする場合、です。
ここで言う長期投資というのは、いわゆる、長期の結果、商品を売却するときに利益がでる、というタイプの投資ではなくて
配当であるとか、スワップであるとか長期間の間に確実に発生する地道な収益を得るため
のものです。
分散投資とも似ていますが、いわゆる長期投資、分散投資は、最終的に金融商品の売却利益を得ることが主体ですが、このケースでは、配当などを得ることが目的であり、最終的な売却価格は気にしない、というところが違います。
最近では、よく「自分年金」なんで言われるようなアレですね。
こういう場合は、いくら配当が欲しくても、無配当の銘柄を選んだら意味がありませんから、むろん、選択する銘柄がものを言います。
年金的な、地道で確実な収益を得たいわけですから、売買は、積み立て的になっていきますし、そうそう銘柄は入れ替えません、そういう意味で、最初の銘柄選びはとても大事です。

これも極論するなら、本当にトレーダーに実力があるなら、ずっと生活できるだけの利益は得られるはずです。
頑張れば、老後の資金までちゃんと稼げるはずなので、心配することもないのですが、いくら頭では分かっていて、そうは言っても、現実には不安がつきまとうのが人間です。
そうした一種の安定収入のようなものは、とても魅力的であると思いますから、短期トレードをしつつも、そうしたものを組み立てていく、というのは、悪くない選択だと思います。
重要なのは、それによって「安心感」が得られるということで、精神の健全性が保たれるならば、それが、短期のトレードにも、ポジティブな影響を与えるだろう、というところです。

ただ、だからといって、他のトレードと同じで、安直に投資解説者や投資売文家などの
メディア芸人
の言うことに飛びついてはいけませんよ。確実に損します。