トレーダーズ・グレイル

トレードの世界を探求するプロトレーダー増田蔵人の気まぐれ更新ブログ 本当に勝てる投資家になるためのブログ

2015年05月

例によってひどい見出し

私は、Traders Webで海外市場の数字を朝チェックします

念のためにいっておくと、別にこのサイトが良いというわけでは全然ありません、というか、むしろここの解説記事は、すごく主観的な偏りが大きい部類です。
単に、色々な数字を、それぞれに応じて一番見やすいサイトでチェックしているだけで、海外はそこ、というだけです。
他に東証公式サイトやYahooファイナンス、日経新聞、ロイターなども使ってます。

さて、その海外市場ですが、今朝、見出しがパッと目に入ったとき、ちょっとどきっとしたんですね
その見出しというのは
NY市場概況-大幅続落 ギリシャ債務問題が引き続き相場の重し
というものです。

え?
と思ったんですが、数字を見ると、昨日のNY市場は-115.44です
ん? 全然大幅じゃないじゃん? と。
だってNYダウは2万ドル近いですからね
パーセンテージだと、-0.64に過ぎません。

著書にも書いたように、何が大幅か、というのは、人によって感覚が違うと思いますが、しかし、たったの「0.6」が大幅だと思う人は、ほとんどいない、とまでは言わなくても、相当に少数派なのは間違いないでしょう

じゃあ、なんでこの記事がそうなのか、といえば、書いた人が
100ドルオーバーというアンカー
に引っかかっているからです。

これ、日経平均に置き換えてみれば分かると思うんですが、日経平均が1万円のときに、今日は64円下がりました、と聞いたら「うわぁ、大幅下落だー」と思う人は、ほとんどゼロに近いと思います
-0.64とは、そういう数字です
しかし、コレ、基準値を変えて、日経が2万円だったとしたら、下落は128円となります
これを「大幅」だと感じる人は、64円のときより、おそらくずっと多くなります。
なぜなら、下落が100円を大きく超えているからです。

こういうのが、著書で何度も指摘した
解説記事なんてのは主観的で都合にあわせているいいかげんなもんだから、読むべきではない
というのの典型です
一度、この「大幅続落」というショッキングな見出しを見てしまったら、たとえ論理的には頭で訂正できても、その印象から完全に抜けきるのは困難です
そういうのが、トレードを狂わせます
だから、私は、
相場解説は、立派なトレーダーになって惑わされない自信がつくまで、絶対に見るな
というのです。



日経平均8日続伸

本日の日経平均は、海外市場がお休みのことから小動きになりましたが、結局、小幅上昇で引けました。
これで、驚くべきことに8日連続上昇となります。

価格が2000年高値以来の水準に達したことから、この先まだ上がるだろうが、そろそろ一時的には一服ではないか、という論調は多いのですが、なかなか下げません。

こういう風にじりじり上がる相場では、通常以上に先行きが不透明になり、誰にも読めない相場になります。
結局、どうするか、というのは、その人の考え方次第です。

こういうときに一気に稼ぎたいと考えるタイプの人は、強気で乗っかってもいい場面でしょう

一方で、本当に長期間、地道に投資で生活したいならば、こういうときほど、慎重になり、冒険をしてはいけません。
技能がしっかりしていれば、現時点までで、相当に利益を得ているはずですから、そんなに無理をせず、利益を確保することに注力すべきです。
個人的には、以前述べたように、売りツナギを増やしており、既に建玉の9割は売りツナギで利益確保しています。

私のやり方としては、こういうときも、必ず、わずかにトレンドの方向の玉を残しておき、まだ強そうだと見えたら、あらためて、その残りをベースとして玉数を増す、という風にします。

ともかくひとつ言えるのは、こういう相場では、下落するときは一気に落ちることが非常に多い、ということです。
ギリシャ問題も控えていますので、注意したいところです。



公文式とトレード

私には娘がいます。
晩婚なので、今、小学一年です。

妻は、どちらかといえば、よくいる、考えなしの詰め込み教育型です
要するに、小さいうちから、たくさん詰め込めば、賢くなる、という、世に一番多いお母さん方の典型です
幼年期に詰め込み教育をしても、将来の成績は平均と変わらないか、むしろ劣る、という調査結果はたくさんあるのですが、そういうのは、教育を商売にする世界では、当然、タブーです

彼らは、教材を売れば売るほど儲かるわけですから、当然「今のうちからたくさん勉強すれば成績が上がります」と、とにかくゴリ推しで押しつけてきます

少し考えれば、もし、本当にそんなことでみんな成績が上がるなら、今の子供は、昔より遙かに早期教育が大量にされていますから、世の中、賢い若い人ばっかりになっているはずなのに、実際はそうではない、では、その方法には問題があるんだろう、という当たり前のことに、なぜかお母さん方は気付きません
それどころか、むしろ、事実は正反対に見えます

考えてみてください
もし、本当に早期詰め込み教育で賢くなるなら、商売上、最高の宣伝となる「事実」、すなわち、「こんなに賢くなったという統計」を彼らがチラシやWebに山ほど掲載しないハズがありません。
そうした広告が全くないのは、いくら偏った調査統計をとってみても、そんな結果がどうしても出なかったからです。
むしろ、教育を商売にするための材料として調査してみたら、驚いたことに逆の結果が出てしまった、ということがたくさんあるので、都合が悪いからシカトしているのです
実際、早期教育をやりすぎると、知能を落とすというのは、現在では「教育業界以外では」もはや常識とさえ言える、よく知られる事実です

このへんの話は、今回の主題とは別なので、ここでは、これ以上は詳しく述べませんが、この「教育業界の商売方法」と「投資業界の商売方法」がとても似ている、ユーザーをだまくらかして売る方法論がとても似ていることに、お気づきでしょうか。


さて、そんなわけで、うちの妻は、無理に子供に「公文式」をやらせました。
私は、早期詰め込み教育否定派ですし、公文式否定派ですが、家庭内に波風を立てるのがアレなんで「塾は認めるけど、頼むから公文式だけはヤメてくれ」とさんざん言っておいたのですが、いつの間にか、ゴリ押しされていましたので、半年ほどで無理矢理ヤメさせました。

公文式がなぜ駄目か、というのは、色々な側面があるのですが、とにかく小学校の先生から塾の先生、果ては大学教授までが、口を揃えて言うのは
公文式を深くやった子供ほど、考える能力がない
という事実があります
同時に
公文式をやった子は、みんなおしなべて字が汚い
というのも、よく言われるのですが、これは後述する話に関係します

公文式の基本思想は、要するに要約すれば
問題に対応できる人間ロボットデータベースを作る
ということですから、問題は解けても、思考力は失われていくわけです

公文式の利点を否定するつもりはありませんが、私個人は、学校のテストなんかひとつも出来なくてもいいから、子供には賢くなって欲しい(賢いことと、テストが出来ることには、何の相関性もありません)、と思うタイプなので、その点が私が公文式に否定的な最大の理由です
実際、公文の問題プリントを見ても「ああ、これは駄目だ」と思いました。
そこの教育論に関しては、すごく色々言いたいことはあるんですが、投資と関係ないので、ここでは省きます。

さて、公文式をやった子は字が汚い、といいましたが、これがなぜ起きるのかというと、公文式では、問題を解けるまでの時間を計るからです
これがすごく大きな問題で、本来、公文式が時間を計るのは
その人に適したペース、その人の勉強ペース、そういったものを理解するために測る
のですが、こういう理屈が理解できるのは、中学生や高校生以上です。
だから、本来、公文式は、そうしたことが理解できる年代層向けに設計されたものだったのですが、「公文をやれば試験ができるようになる」という事実が広まった結果、「とにかく小さいうちからやらせればいい」と、飛びつく馬鹿な母親が増えて、どんどん、幼年期から、やらせるようになってしまったわけです

ところが、幼児に時間を計らせば、彼らはどう思うか
早いほどエライ早ければスゴイ
となるわけです

幼児に、自分のペースなんてややこしい理屈は通じません
友達のほうが早ければ、負けたと思いますし、自分が一番なら嬉しい
だから、とにかく急いでしまう、やっつけ仕事になってしまう、早く終わらせようとして、殴り書きになるから、字が汚くなってしまう、というわけなのです

何が言いたいのかというと、何事にも学習には
適した時期がある
ということです
考え無しに、なんでもかんでも、すぐやらせればいいわけではないのです

幼年期に詰め込み教育をしすぎた子供は、むしろ、将来馬鹿になりやすいのと同じで、初心者の時代に、へたに、いろんな情報を詰め込んでも、トレードは上達しないどころか、むしろひどい結果を招き、駄目な投資家が出来上がります
また、特定の方法論でも、ある能力がついた時期でないと、うまく機能しません。
なんでもかんでも、すぐにやればいい、たくさんやればいい、多いほどいい、というものではないのです。

むしろ、初心者の時代は、出来るだけ「学ぶことを減らし、情報を減らし、ひとつのことを深く追求する」べきです
他に目を向けるのは、ひとつのことが極まってからで良いのです







日経平均2万円回復

本日火曜日の日経平均は、とうとう終値で2万円台に乗せて終わりました。

それにしても、毎度毎度、恐れ入るのは
相場解説の手の平返しの速さではないでしょうか

ちょっと前まで、大きく下落していた段階では、
ほらほら、やっぱり「セル・イン・メイ」が来たよ、恐いよ、大変だよ
と恐怖心を煽ると同時に、的中を誇らしげに吹聴していたのに、いざ上昇に転じたとたん
今年は大丈夫ですね
と180度転換する始末
そういう話のニュアンスには
だって、僕、最初からセル・イン・メイなんて言ってなかったもん
的なものが含まれているのが凄いところで、自分が言ったことなんか、覚えてない、そんなこと言ってない、という風に、しれ~っとして知らん顔を決め込むのが凄いです
厚顔無恥とは、まさにこのことですな

さて、日経は2万円に載せましたが、ここから先は、どうでしょう
一気に上がるには、材料不足と思いますが、そこは相場の常として、ノリや需給や都合で決まるので、なんとも言えません
まあ、ちゃんとしたトレードの仕方をしていれば、ここまでで既に相当建玉を仕込んでおられ、含み益になっているハズですので、私個人は、あまり無理をせず、ここらで一度、利益確定していった方がいいと思います
少なくとも、玉の厚みは薄くしたほうがいいと思います、私はそうしてます





システムはコツでも秘訣でもありません

以前
投資で勝つコツは、安く買って高く売ることです
というようなCMが馬鹿みたいだ、という話を書きましたが、いまだに、毎度毎度、このCMが鼻につくので、気になってしまう毎日です

ぶっちゃけ、このブログは
面倒くさいのであまり考えなく勢いだけで書いている(笑)
ので、結構いいかげんです
この話を書いたときは
それは間違いではないが、そういうことを平然と言うのは「野球で勝つにはホームランを打つことです」と言っているようなもので、そういう、あまりに当たり前のことを、平然とそれっぽく言う神経がおかしい
というようなことを書きましたが、このたとえは、あんまり良くなかったな、と後で思いました(笑)

投資の初心者は、普通、買いしか考えませんので、買いに限定して話すと、投資で利益を得るには、絶対に
買った値段よりも高く売る必要がある
わけですよね?
買った値段より安く売ったら、損しかしませんから、どう頑張っても、どうしたって、買った値段より高く売る必要が絶対にあるわけです
要するに、投資とは、「利益を得るには、買値より高く売る必要がある」というルールであり、そういうシステムのゲームです

早い話が、馬鹿な初心者向けの軽薄な入門書には
投資で勝つコツは、安く買って高く売ることです
利益を得る秘訣は、安く買って高く売ることです
などという言葉が、まことしやかに、いかにも意味ありげに、深い言葉のように書かれていることが多いのですが、これは
単に、ルール、システムをそのまま述べている
だけですよ
単に、当たり前の事実を述べているだけであって、こういうのを
秘訣だとか、コツだとかと表現するのは、大間違いです
その当たり前の事実を、いかにも、まこしやかに喋るだけで、何か初心者が「ほーっ」と思ってくれたりする
喋る方も、恥ずかしげもなく、何かいい事を言っているように、したり顔をしていたり、偉そうにしていたりする

そういう投資業界の構造、そういう状況が普通にあることが、投資の世界のおかしなところだ、ということを言いたかったわけです

勝つための当然のルールをそのまま語っているわけですから、野球にたとえれば
野球で勝つコツは、対戦相手チームより、多くの得点を取ることです
と言っているようなものです。
野球のコーチが選手に対してこんなことを言えば
当たり前だろ!馬鹿かコイツ。誰だよこんなコーチ入団させたの
と突っ込まれること必至ですよね

短距離走で一位になるコツは、他の選手より早く走ることです
将棋で勝つ秘訣は、相手の王を取ることです
こんな風に他のものにたとえれば、いかに馬鹿で頭の悪い発言か、分かると思います。
しかし、その馬鹿な発言が、普通に通用して、受け取られてしまうのが、投資の世界の恐ろしいところなのです
手前味噌ですが、コツとか秘訣とかいうのを語るなら、私の著書のような話でなくてはいけないと思います




オーナー紹介 増田蔵人
フリーで造型、PC関係等の仕事を多岐に渡り担当、関連雑誌等のライター。本名で著書が十数冊ある。
投資歴は30年。近年ライターとしての仕事が激減したため、プロトレーダーとして生計をたてるに至る。
2015年、ライター生活の集大成、トレーダー啓蒙書『投資の聖杯 ~投資常識の嘘~ 本気で勝てるトレーダーになりたい人のためのバイブル』を電子書籍でリリース。
最新コメント
ツナギ売買の入門と実践 [増田蔵人 著]


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