トレーダーズ・グレイル

トレードの世界を探求するプロトレーダー増田蔵人の気まぐれ更新ブログ 本当に勝てる投資家になるためのブログ

待つという技術

このところの相場は、方向感の見えない、ある種の膠着相場だと言っていいと思います。

証券会社というのは投資家を煽って参入させるのが商売ですから、日経平均が高くなると、ここぞとばかりに「今がチャンス」みたいなポジティブな宣伝や肯定的な見方をバンバン出してきますが、通常、高値圏でこういう膠着が起きたときは、1,2段(今は二段目?)のプチ上昇があって、いずれ、一度は大幅下落になるケースのほうが多いと思います。
むろん、外部環境頼みの相場ですから、暴落すると予測するわけではなく、実際に下がるか上がるかは分かりませんが。

著書にも書いたように、相場師の多くが「相場では待つことが一番難しい」と書いています。
トップトレーダーの多くが「待つ技術は高度な技術で、一番難しい」と述べています。

本気でトレードする人ほど「やりたい症候群」があるのが、相場のやっかいなところです。
それも無理からぬ話で、そもそも、稼ごうと思って参加したのに、何もしなければ絶対に利益が出ないわけですから、「やろう」としてしまうのは当然なのです。
特に、生活がかかっていれば、なおさらです。
一生懸命な人ほど、無理矢理に参加したりしますが、結局は、損が増えるだけです。

私自身、ある種の物事に対しては非常にせっかちで、「何かしていないと気が済まない」タイプの人間ですので、その気持ちはよく分かります。
いつも、我慢するのに苦労してます(笑)

ツナギ売買がひとつ有利なのは、膠着相場で建玉をスクエアにしたとき、一応「建玉を持っている」ことです。
むろん、スクエアなので損も益も出ません、実質は建玉がゼロの状態と変わりませんが、心理面では全然違います。
建玉があると、「相場に参加している」という感覚になるのです。
これが、建玉ゼロのときは、「何もしていない」という意識になるので、気が焦って無理に参加しようとしてしまいがちなのですが、建玉を持っていると「現在も参加している」という意識になるので、「やりたい気持ち」が抑えられます。

結果、じっくりとチャンスを待つことが、より容易になるのです。
このメリットは、著書に書き忘れたと思います。


あと、最近私が発明(笑)したのは、待つべきときにゲームをやる、という方法です。
何を言ってんだコイツは、と思われるでしょうが、冗談ではないです(笑)

私は元ゲームレビュワーで、雑誌のゲームレビューなどを執筆していた海外ゲーム専門ゲーマーだったんですが、ここ15年ほどは全くゲームをプレイしなくなりました。
が、最近、昔の懐かしいゲームがスマホ版で出ているので、ちょっとやってみたら十数年ぶりにゲームをプレイするようになった、っていうだけで、別にゲーム好きじゃないんですけどね、たまたま、今の興味がソレだというだけで、ふと「あ、コレ意外と有効だな」と気づいたという。

ゲームじゃなくて、漫画を読むでも映画を見るでも本を読むでも何でもいいんですが、要するに
相場の他に、自分の興味を強く惹くことを、意識的に、無理矢理にでもする
ということです。
つまり、そのことによって
相場への興味がいくぶんかそがれるので、無駄な参戦が抑えられ、待つことができやすい
ということですね。

ゲームは最近の発明(笑)ですが、昔の造形仕事関係で懇意にしていた編集さんから連絡があり、その関係でやるべき造形作業が最近多いのですが、昔から、回避したいときに造形に「逃げる」のは、いい手段になっていますね、私の場合。

私の経験上ですが、そういうときは「このところ膠着相場で相場に参加できないから、今のうちに相場の勉強でもしとこう」なんて思うのは、割と駄目なんです。
どっちも同じ相場がらみですから、ついつい、相場に意識が行っちゃうんで、あまり無駄な参戦の回避作業にはなりません。
なるべく、全く相場と無関係なことをする、遠いほど良い、と言えます。

あと、スポーツをしに行く、とか、外出するのは良さそうなんですが、実際にはイマドキはどこに居てもスマホひとつで手軽に相場が見られてしまいますので、「見てしまいたい」意識があれば、外だろうが家のPCの前だろうが構わず見てしまうので、外出自体はあまり有効な回避にはならないようです。

問題は、その「興味を惹くこと」が、ゲームのような、いわゆる「娯楽」であれば、当然真面目な人は「サボってる」といううしろめたさがつきまとうんですけれど、そこは、あくまでも、コレは相場を待つための作業だ、と自分で納得して、なんとか割り切ることが必要です。
たとえば楽器の練習だとか手芸の上達だとか、相場以外で勉強する本を読むとか、なんらかの建設的作業であれば、その割り切りも、もう少し簡単になると思います。

まあ、20年以上相場やってますけど、待つのは、本当に今でも難しいですねぇ




色々整理

我が家は毎年、年末になると大掃除をします。

大掃除すべきなのは、家だけではなく、トレードの情報も同じではないでしょうか。

著書にも書いたように、初心者の大きな勘違いのひとつが
情報が多いほど勝てると思う症候群
です。
実際のところ、情報というのは、まともに使いこなす能力がない限り誤ったバイアスを生み破滅へと導く恐ろしい罠です。

ぶっちゃけ、大量の情報を集めてプロ顔している人でも、その全ての情報が本当に必要で、本当に活用しているのか、といえば、おそらくノーでしょう。

相場師は、情報は少ないほど良い、と述べていますが、その境地に行き着くまでに、ほとんど誰もが「情報を選択し捨て去る」作業を繰り返し行います。

ミーハー投資本を捨てるのは、その最たる例です。

いまだに、こうした整理段階は、私も続いています。
今年は、昨年までつけていたデータの6割ほど、チャートの多くを、去年の年末でつけることをやめました。
むろん、「やめても支障ない」と判断したからですが、実際、やめてからも、特に成績に変わりはありません。

著書に書いたように、データの大半は、本当にきちんと考えれば、「トレードに役立つ」わけではないものばかりなのですが、だから駄目だというわけではなく、毎日のデータつけなどのルーチンワークは、それよりも
プロ意識を養うため
に役立つので、ある程度初心者の方には、必ず行うようにお勧めしてます。

ですが、慣れてきたら、不要なものは捨てて良いのです。
著書に書きましたが、私なんか元プログラマーで自作投資ソフトを作っていたので、初心者のときは各種テクニカルの意味はもちろん、演算方法まで覚えてましたが、そんなもん不要だと悟って忘れる努力をした結果
今じゃ綺麗さっぱり忘れてしまいました(笑)
初心者に聞かれたら、難しいのはすぐに答えられないので、「馬鹿だコイツ」と思われると思いますね(笑)

いいんですよ、そんなもんなくても。
だって、なくても儲かるんですから。
トレーダーというか、世の中の多くの人が間違っているのは、「知識が多いほどエライ」という思い込みです。
我々個人トレーダーからすれば、テクニカル分析を100個緻密に説明できるMIT出身のアナリストと、中卒で難しい漢字も読めないぐらいアホでも毎月投資で稼いでる人と、どっちが尊敬できるかっていったら、絶対に後者ですよね。
テクニカル分析を何個知ってようが、ただラジオで喋ってるだけみたいなヤカラには用はないんです。
国際テクニカルアナリスト協会の資格なんて意味の分からないものがありますが、国際テクニカルアナリストの人たちが大金儲けて億万長者になったー、すげー! って話、全然聞きません。
そのことを考えたら、テクニカル分析そのものを熟知していることと、稼げるかどうかは全然関係ない、ということがすぐ分かると思います。





トレードにおける目標とは

前回、「目標の金額は身の丈にあったものにしましょう」みたいな話を書きましたけれど、ちょっと補足です。

いくら稼ぐ、という目標を持つのが悪いことではありませんが、これはあくまでも
究極的な目標
というか
一番大きな目標
ということです。

これだけが目標ということでも、目標は金額にしろということでもありません。

初心者は、必ず、別に具体的な目標を持つべきです。

目標で「百万円稼ぎたい」とか言うのは、何の目標も持ってないのと同じです。

こう考えてみてください。
トレードが練習によって上達する物事である、という前提に立つなら、たとえば「100万円を稼ぎたい」というのは、ギターの練習を始めたばかりの素人が「武道館でライブしたい」というのと同じです。
いや、1億円が「武道館」だとしたら、100万円は「ライブハウス」ぐらいかもしれませんが、それにしたって、初めてギターを弾く人が、いきなり「目標がライブハウス」というのは、当面は実現可能な具体性のある目標とは言えず、ほとんど夢物語、単なる「希望」に過ぎず、何も目標を持っていないのと変わらないでしょう?

そういう「大きな目標」を持つのは悪いことではないですが、それだけでは、何の具体性もありません。

とりあえずの到達点を「ライブハウス」にするとしても、じゃあ、そのライブハウスに到達するには、どうすればいいのか、と考える。
当然、まずは、ギターが上達しなければいけないわけですよね。

じゃあ、その上達をもっと具体的に分解すればどうなるのか、といえば、たとえば「Fコードがきちんと押さえられるようになる」などという目標になるわけです。

そうした小さい目標をいくつも達成していくことで、いずれは、「ギターが上手になった」というところに行き着くし(まあ、私は何年弾いてもヘタですけどw)、いずれはライブハウスという大きな目標に到達するわけですよ。


高校球児の最終目標は「甲子園」で、もっと言えば「甲子園で優勝」でしょうけれど、いきなりそれだけ目標にしても「アホかお前はホラ吹きか」と言われちゃいますよねw
それとは別に、もっと小さい県大会優勝とかいう目標があったり、更に小さく、まずは初戦に勝つという目標があったり、もっと小さく、バッティングの技術を上げるとか、カーブを投げられるようになるとか、当面の具体的目標があるわけですよね。

それと同じで、トレードの目標というのは、なるべく細かく割る方がいいです。
つまり、FコードならFコードの練習ばっかりする、野球でバントの練習ならバントを極めるまで練習する、というように、トレードの「技術」も、ひとつづつ、細かく練習していくほうがいいです。

たとえば「押し目買いのテクニックを上達させる」という目標を持って、そればっかりやる。
トレンドが明確な時期でも上昇と下落があるし、ボックス圏の動きもある。
その全部をいっぺんにやるんじゃなくて、その中で、まずは上昇トレンドをきっちり取れるように練習し、ボックス圏の練習をするのは、上昇トレンドに自信が持てるようになってから、など。


あるいは、あなたがもしも極端なあがり症ならば、ライブのためには、あがり症を克服するのが第一の目標になるかもしれませんよね。
これなどは直接演奏の技術とは無関係ですが、ライブをやるには大事ですよね?

トレードも同じことで、トレードの技術とは関係なくても、たとえば「やたらせっかちな性格である」としたら、それを直さないとトレードで勝つことはできません。
そんな風に、トレードが心理的な要因のものである以上、必ずしもトレードと関係ない事が、トレードの勝敗に大きな影響を及ぼしますので、それも修行すべき事柄です。

というより、著書にも書いたように、トレードの仕組みは買うか売るかしかない極めてシンプルなものですし、トレードで「勝つためにやるべきこと」は極めてシンプルで構わないにも関わらず、それで勝てない人が大半なのは、要因のほとんどが「トレーダーという人間」にあるからです。

だから、トレードでは、むしろ修行すべきは「トレードの技術以外」の部分のほうがずっと多い、とさえ言ってもいいかもしれません。


少し話を進めると、そういうことを繰り返していくと、いずれ
自分が苦手なところ
というのが分かってきます。

そのへんをどうするのか、というのは、個人個人の好き好きだと思います。
つまり、いっそのこと苦手だからやらない、と決めるのもひとつの手だと思いますし、逆に、苦手だから克服するまで重点的に練習する、というのもひとつの手ですね。
得意技をひとつ作って、それを重点的にやる、そのテクニックを磨き上げる、というのも、ひとつの手だと思います。
私は、日経平均がダメダメな低迷を続けていた頃は、「売り相場専門」でやっていたことがあります。

もちろん、苦手がないほうが、どんな場面でも常時儲けることは出来るのですが、トレードが上手ならば、必然的に「やるべきではない時間を待つ」技術が発展していくから結局はトレードしない時間が出来るでしょうし、苦手なときは指をくわえて見てるだけでも、充分に儲かるとは思います。





オーナー紹介 増田蔵人
フリーで造型、PC関係等の仕事を多岐に渡り担当、関連雑誌等のライター。本名で著書が十数冊ある。
投資歴は30年。近年ライターとしての仕事が激減したため、プロトレーダーとして生計をたてるに至る。
2015年、ライター生活の集大成、トレーダー啓蒙書『投資の聖杯 ~投資常識の嘘~ 本気で勝てるトレーダーになりたい人のためのバイブル』を電子書籍でリリース。
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ツナギ売買の入門と実践 [増田蔵人 著]


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