トレーダーズ・グレイル

トレードの世界を探求するプロトレーダー増田蔵人の気まぐれ更新ブログ 本当に勝てる投資家になるためのブログ

FXの単位

FXの計算をしていて、ふと思ったんですが。

すっごい基本的なところなんですけれど、FXは1という単位で発注するときに、それが、何通貨を指すかが、会社やソフトによって違いますね。
おそらく、1万通貨のところが一番多いと思いますが、1万通貨の場合もあれば10万通貨の場合もあるし、1通貨から扱える会社もある。

これが、まず、初心者の理解を難しくしてるんじゃないかな? と思いました。

そういえば、個人的にすんごいややこしい、というか「そりゃ間違うだろうよ?!」と思ったのは、楽天証券FXですね。
通常のFXアプリでは1は1万通貨を表すんですけど、MT4では1が10万通貨になるんですよね。同じ会社内でこの不整合は駄目だろうふざけんなと。


それはさておき、FXで大損したという体験を見ていると、この「通貨単位」がよくわからないために、いきなり億単位の取引をして大損した、なんて話がよくありますね。

要するに1買ったら、いくらぐらいの取引になるのかが分からないという。

もちろん、これは、最低限レバレッジだとかシステムを理解しないままに始めるほうが悪いわけで、自業自得には違いありませんよ?

違いありませんが、この「1」という数字の当て方にも問題があるんじゃないか、と、ふと思ったわけです。

私などは、先に指数先物や商品先物をトレードした経験があるので、1枚で大金が動く、というのを感覚的に理解しています。

しかし、そういう経験がない、ごく普通の日常に生きている一般人にとっては
「1」という数字は、ごく当たり前の感覚として最低単位
なんですよね。

普通人は、一般的なイメージとして小数点以下では数を考えません。
1パーセント、1円、1個、1杯、1匹・・・・・要するに「ちょっと」「たくさん」の感覚でいう「いちばん、ちょっと」が「1」なんですよ。

だから、「たったの1」でそんなに大損する、というのが、感覚的に理解しにくい。
証拠金が安いから、また余計に分からないんですよたぶん。

感覚的に分からないから、よく知らないままにトレードすると
1単位かぁ、じゃ、50、いや70ぐらい買っとくか?
みたいな感じになりがちなんだと思うんです。

このへんの数字の決まり事は、もうトレードシステムの根幹になる部分ですので、文句を言っても仕方ないといえば仕方ないのですが、改善できないものか、とは思いますね。

FXは、扱う通貨数が少数でも多数でも全く同じシステムの中でやるから、そこが理解しにくいのではないかと。

たとえば指数先物には、こういった問題を憂慮してミニが出来ました。
こちらの損益は同じ1枚でラージの1/10ですし、ミニという名称がなかなか良いので、初心者は「ああ、いかにも初心者向けの名前だな。これからはじめるべきか」という感覚で受け止められると思います。

なんらかの形で、FXにも、「ミニFX」とか、そういった初心者対応を打ち出した商品があれば、知らないままに大金を取引して破綻する人はずっと減るんじゃなかろうか、と思いますね。





厄年なのかも

今年は、元旦から
痛風
の激痛に悩まされて、以前から「ぎっくり腰持ち」なので
二大苦痛病を制覇してしまった
という、全然嬉しくない私ですが、2週間たって、ようやく痛風の痛みが引いてきたと思ったら、今度は
インフルエンザですよ

しんどいです、寒気します。

なんすかね、今年になってから、ずーっと病気ですよ(笑)
やってられませんね。
今年は厄年なのでしょうかね

トレードも厄年だったら困るんですがねー。

これだけ先に不幸なので、1年分の不幸を先に消費してしまったと考えて、後は幸運が来ると思わないと、やってられませんね(笑)

しんどくて、一日の多くを寝込んでいるので、しばらくベッドでトレードの勉強でもしていたいと思います。




手法の善し悪し

相変わらず、痛風の激痛に苦しんでいる今日この頃です(T.T)

前回書きました、コメントのお返事書いていて、書こうと思った話題第二弾です。

ところで話がズレますが、ここ最近、ブログの話題の多くが、みなさんに頂いたコメントの返事を拡げたものになってますなー、と思います。
ある意味、みなさんにネタを頂いている感じですので、ありがたい限りです。

投資のブログをコンスタントにやろうと思ったら、「今日の相場はどうなる」というような予測系か、「今日の相場はこうでしたね」みたいな結果論系か、どちらかにしないと、そんなにひんぱんには更新できませんよね。
そうそう、話題がたくさんあるわけではないし、自分で「こういうことは書くべきではない」と思う種類の話題もあるので、そういうのを避けると、もう、ぶっちゃけ「ネタ切れ」だと思うんですが、そんな中で、ネタがもらえるとありがたいです。

なので、「こういうことについては、どう考えますか?」みたいなご質問は大歓迎です。


さて、今回の話題ですが、投資の「手法」の話です。

原則として、投資の手法というのは、投資の聖杯などでも述べたように、その人に「あったもの」でなければなりません。
好きな服を着て、好きなものを食べ、好きな趣味を持つように、投資の手法も、その人個人の「あらわれ」でなければなりません。
私は、自分の投資の手法を人に説明したくありませんが、それは、要するに、投資の手法というのは「その人というものがあらわになったもの」だからで、言うなれば「素っ裸を公開する」とか「日記を公開する」のに等しいのです。
つまり、極めてプライベートなことなので、とても、恥ずかしいのです。
というか、まあ、単純すぎて、公開できるほど図式化した手法などないのですが。

人間、人それぞれ、考えも違えば嗜好も違うし、性格も違うし忍耐力も違うし精神力も違うんだから、当然、自分という個人にあったやり方を見つけるのが、第一にやるべきことです。
本来、手法とは、そういうものであるべきなのに、投資を始めた人は、赤の他人が押しつけてくる手法を、そのままコピーしようとします。

あまり頭の良くない「入門書」の著者(失礼)は、自分でも、自分の方法が「聖杯」だと信じていますから、それをそのまま、他人に使わせようとしますから、初心者は、そのままうっかり釣られてしまったりします。

誰もが初心者なので、最初は誰でも、人まねから入ると思うのですが、賢明な人は、そのうちに、少しずつ手を加えて、自分なりのやり方を確立していきます。
しかし、それはごく少数の人で、大多数は、コピー屋から脱却できません。

ここでの問題は、入門書を書くような人たちの大半がお馬鹿さんなので、「あなたはあなた自身の方法論を見つけるべきだ」という
しごく当たり前の常識的な警告
を一切していない、という状況があるところです。
もしも、全ての入門書にそういう警告がちゃんと書かれていたら、コピー屋から脱却する人は、ずっと増えるし、勝てる人もずっと増えると思うんですよね。


で、まあ、「手法とは、すべてそういうものだ」という前提があります。
その上での話なんですけれど、現実に、本やWebサイトで、投資手法を教えるものがありますね?
その手法の善し悪しは全く別の話として、そういうケースでは、私は「他人に伝える手法は、できる限り、シンプルであるべきだ」というポリシーを持っていますので、自分でも、本を書くときは、なるべくシンプルなことだけ伝えるようにしています。

というのは、少しでも裁量が入るトレードは、全てが、その人の思想、価値観、主義、そういったものに基づいているからです。
たとえば、分かりやすい例をあげると「価格が高値を抜いたら買う」という手法を持つなら、その人は「価格がある高値を抜いたら、上昇が続く可能性が高い」と信じている、ということですよね?

こんな風に、投資の世界は、全てが不確実で曖昧ですから、何を信じているかによって、その人の投資行動が決まるわけです。
手法というのは、まず、根底にその人の信念があって、その信念を具現化したものなのです。
ところが、手法をできるだけ図式化、マニュアル化して伝えようとしても、この「信念の部分」は伝わらないので、限界があります。

そして、いくら、手法を色々なケースで説明しても、相場には、その説明に当てはまらない、イレギュラーな出来事、ルールやマニュアルから外れた出来事が、必ず起きます。
完全なシステムトレードではない、裁量トレードである限りは、そんなときに「どんな風に振る舞うか」は、その人の思想や価値観、すなわち「信念」に依存するわけです。
たとえば分かりやすく言えば、史上最大の暴落が起きたときに、その出来事は、今使っている手法のルールにはまらないものであっても、あなたが「こういうときは、翌日はリバウンドするんだ」と強く信じていたなら、あなたはそこで躊躇なく買うことができるわけです。

自分で考えた手法を使っているなら、イレギュラーな事が起きたときに、トレーダーを振る舞わせる「信念」は、その人が使っている「手法の根底にある信念」と同一のものですから、行動に一貫性が取れるわけです。
そんな風に、その手法が「自分自身が考え出したもの」ならば、自分の信念のままに振る舞えますので、手法とのズレは起きません。

ところが、その手法が「人からの借り物」であれば、根底の信念は理解もしてないし、自分の身についているものでもないので、教えられたこと以外の出来事が起きたら「どうしていいか分からない」「合わないことをしてしまう」わけです。

人に手法を伝える場合、手法が複雑であればあるほど、そこには複雑な信念があるはずで、それを伝えるのも困難だし、語弊もたくさん生まれるしで、こういう問題は加速度的に増えていきます。
だから、私は
他人に伝えるという条件があるときは、手法はなるべく単純であるべきだ
と考えるのです。

それだけではなく、もっと突っ込んだ話を言えば、複雑な手法を使う人は、そこに「複雑であるほうが、それなりのメリットがある」という思想があるわけですから、本当なら、その考えから伝えて説得しないといけないんですよね。


で、これは何も、他人に伝える場合だけの話ではないんです。
自分自身で複雑な手法を考え出したとしても、その複雑さに「自分自身で納得がいく」ほど、しっかりとした信念を持つことは、不確実性の支配する相場では、なかなかに難しいのですよね。
シンプルな信念は、比較的、簡単に強く持つことができますが、複雑なものは、なかなか、自分でも信じられないんです。
AとBとCとDとEと個々の要素の有効性を全て信じていて、なおかつその全ての組み合わせが更なるメリットを生み出す、なんてことを全部心の底から強く信じるのは、実際はなかなか難しい。
トレードしていていも、自分で、自分のやってることが、イマイチ信じられない、立ち位置がはっきりしない、足下が強固ではなくグラついてる、みたいなことになりがちです。
「この世界には神がいる」と信じるのは案外容易ですが、「宇宙の複雑な構造」を信じるのはなかなか難しい、ようなものです。

ですから、はっきり言えば、自分で複雑な手法を考え出したとして、もしも、あなたが、その複雑さに「確かなメリットがある」と信じられない、あるいは、「それほど大きなメリットはない」と思うなら、今すぐ、そんな複雑さは捨てて、シンプルにするべきです。
分かりやすくたとえると、たとえば、分析ツールを4つ併用して売買する手法を作ったとして、「4つ使うことに、すごくメリットがある」と信じているならそれでいいのですが「2つでも、それほど変わらない」と思うならば、迷うことなく2つにするべきです。
そして、出来ることなら「ひとつにしてもそう変わらないんじゃないか?」と考えてみてほしいと思います。

特に初心者のときは、そうやって、
手法は、出来るだけ、シンプル化を図るべきだ
と、私は考えます。
みなさんにも、そうしてほしいとおもいます。





オーナー紹介 増田蔵人
フリーで造型、PC関係等の仕事を多岐に渡り担当、関連雑誌等のライター。本名で著書が十数冊ある。
投資歴は30年。近年ライターとしての仕事が激減したため、プロトレーダーとして生計をたてるに至る。
2015年、ライター生活の集大成、トレーダー啓蒙書『投資の聖杯 ~投資常識の嘘~ 本気で勝てるトレーダーになりたい人のためのバイブル』を電子書籍でリリース。
最新コメント