トレーダーズ・グレイル

トレードの世界を探求するプロトレーダー増田蔵人の気まぐれ更新ブログ 本当に勝てる投資家になるためのブログ

相場の面白さ

先週末のNYダウは、-1.5%以上の大きな下落となりました。
これが相場の摩訶不思議で面白いところです。

世間さまの説明に従うならば、アメリカの雇用環境が改善しているために、下落した、ということになります。
経済環境がよければ、利上げが早まるというのが、不安の理由とされますし、実際にここ数年アメリカ経済を持ち上げてきたのは、低金利の上での量的緩和だと言われていますから、それがなくなっていくこの先が不安である、という説明は、一応は説得力があります。

しかし、誰でも考えれば分かりますが
経済が良くなっていることが証明されたら株が下がる
というのは、実に妙な話ですよね
こんな風に、同じネタであっても、その時々で、上がったり、全く逆に下がったり、反応が異なるのが、相場の面白いところで、だからこそ、予測なんか不可能なのです。

そうした反応をこなしつつ、上がっていくだろう、というようなことは、誰でも言えるわけですが、実際には、アメリカの相場は、「量的緩和がない」というここ十数年ない未知の領域に入ったわけで、転換点に差し掛かっています
こんな状況の先行きを予想できるのは神様ぐらいで、適切な予想なんか、できっこありません。
こんな難しい場面で、本当のところは、誰にも何とも言えないのですが、それらしい予想を提示してしまう人々がいるから、初心者は騙されます。
そんな愚かな予想は聞かないに越したことはないですよ

このまま戻すのか

昨日は、ようやくの調整を経ましたが、引けにかけて戻し、結構、小幅な下げにとどまりました。
これまでの上昇幅を考えると、かなり控えめな下げと言っていいでしょう。
本日は、また戻し、相場の強さを示しました。

まあ、著書に書いているとおり
調整なんていうのは、解説者や初心者にとって、都合のいい誤魔化しの言葉
です。
基本的に、何が調整という定義がないので、上昇を望むバイアスがあれば、下げは「調整」と言えてしまうわけです。
一方で、売り派の人にとっては、その下げは「下げ」でしょう。
要は、調整というのはバイアスの産物であり、希望であり、願望であり、トレーダーの行動を狂わせる魔物の概念です。
行動経済学で言うところの、システム1を機能させる要因となるのが、こうした誤った認識です。

相場には、上昇と下落しかありません
そう思うほうが、遙かに健全な物の考え方です。

とはいえ、相場には需給というものがありますから、ある程度の下げを経ていかないと、上にいかないことは事実です。
ある程度相場が強くなると、たとえば、「日本株はあれだけ強いんだから、当然ポートフォリオに組み込んでんだろうな」というユーザーの要求というか圧力があったりして、ファンドが組み込み比率を上げないと仕方ない、とか、「いついつまでに、ファンドのパフォーマンスを良く見せておかなければいけない」なんていう風に、いろんな大人の事情で、「買わざるを得ない」という場面ができます。
現在は、そんな風に、猫も杓子も買わないといけない状況というのがあるわけですが、そういうのは、ある段階で手放されるので、それがどこか、というのが問題なわけです。
先物なんかの手口を見ても、既に大手のファンドは相当量の買い越しをしてますので、その反動も恐いですね。
健全な上げを期待したい場合は、ここらで、もっと大きく下落したほうがいいのですが、どうも無理に戻している感があるので、このままだと、そのうち、どうなるんだろうなぁ、という不安感はぬぐえません。

我々古い投資家というのは、度重なる暴落を経験しているので
下落恐怖症
になっているんですよね。
まあ、その経験をうまく生かせれば、決して、恐怖症は悪いことではなく、慎重さを持ちうる上で、プラスの材料ではあるのですが。


思い込みは大敵

ブログを頻繁に書こうと思ったら、どうしても「今日はああだこうだ」「こうなると思う」みたいな話を書かないと、スペースが埋まらないわけですが、何度も書いてるように、そんなのは、ホントはどうでもいい話なんですね。

ただ、可能性を考えることは、悪いことではありません。
脳内バリエーションはあればあるほどいいです。
しかし、著書で述べているように、「可能性を考えること」と「予測」は全くの別物です。
これまでも、ああだこうだ言っているのは、あくまでも、テキトーな漠然とした可能性です。

こうした相場で起きうる可能性を、解説者はよく「シナリオ」と呼びますが、アレは実際には可能性ではありません。
シナリオ、という呼び名は、間違いを表していて、言い得て妙なのですが、映画や演劇のシナリオというのは、「完成型を作り出す、目的を達成するための、設計図」です。

これは、つまり
初めに結論ありき
ということです。

こうなってほしい、こうなるだろう、という前提を(無意識にでも置き)そこに向かう図を描いてみせるわけです。

あの物の考え方は、すでに
大きな誤ったバイアスになっています。
シナリオに応じてものが動く、シナリオどおりに行かなかったらおかしい、なんて考えるのは、トレードでは愚か者です。
初心者の方は、決して、解説やアナリストの言う
シナリオなんて愚かな言葉に惑わされてはいけません
あんなのは、馬鹿のたわごとです。
オーナー紹介 増田蔵人
フリーで造型、PC関係等の仕事を多岐に渡り担当、関連雑誌等のライター。本名で著書が十数冊ある。
投資歴は30年。近年ライターとしての仕事が激減したため、プロトレーダーとして生計をたてるに至る。
2015年、ライター生活の集大成、トレーダー啓蒙書『投資の聖杯 ~投資常識の嘘~ 本気で勝てるトレーダーになりたい人のためのバイブル』を電子書籍でリリース。
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